F1遅報
2004 イタリアGP 【決勝レビュー】
vol.96 2004.9.12 23:58
誰がこんな展開、そして結末を予想できたのであろうか。レーススタート数周後、オープニングラップにスピンしたシューマッハ、そしてバリチェロが早めのピットストップに向かった時点で、フェラーリの勝利は有り得ないものだと思ったはずだ。
昨晩から午前中にかけて降った雨で路面はハーフウエット状態だった。ウエットのバリチェロに対して、ミシュラン勢はドライ。スタート直後の1コーナー、予想通りの好スタートを決めたアロンソが2番手で入る。予想以上に濡れている1コーナーに各車慎重になだれこむ。その影響かシケインでシューマッハがスピン! 一気に14番手まで順位を落としてしまう。一方、トップのバリチェロは順調に2番手アロンソとの差を開いていたはずだったが、コースの路面状況の回復が早く、アロンソへのアドバンテージを失い、5周目にアロンソにトップを奪われてしまう。次の周にバリチェロは早くも一回目のピットストップに入り9番手まで順位を落としてしまう。
一方、予選6番手のバトンはスタートから順調に順位を上げ、5周目には2番手まで順位を上げる。その後、アロンソが一回目のピットストップを行いトップに立つと、自身の一回目のピットストップ後もトップでレースをリードする。13周目にライコネンがピットストップと共にガレージにマシンを止めリタイアとなってしまう。その時点で、トップがバトン、2番手アロンソ、3番手モントーヤ、4番手バリチェロの4台がメインストレートで一度に望めるつかず離れずの接戦を繰り広げる。
レースが動いたのは29周目、バリチェロが早くも2回目のピットストップを行う。ピットストップのタイムから見て、2ストップではなくもう一度ピットストップを行う3ストップ作戦の模様。そして、33周目に2・3・4番手につけていたアロンソ・モントヤ・琢磨が同時にピットストップ! 続く34周目にバトンがピットストップを行い、トップにはなんとシューマッハ(!)が立ち、2番手にはバリチェロがついた。そのシューマッハも36周目にピットストップ、琢磨の真後ろ5番手でコースに戻るが1コーナーですかさず琢磨を攻略。シューマッハは4番手でレース終盤に挑む。41周目に3番手を走行中のアロンソがコースオフ! サンドトラップにはまってしまい、レースを終えることとなる。この時点でトップはもう一回ピットストップのあるバリチェロ、2番手にバトン、3番手にシューマッハ、4番手に琢磨がつけた。
レースは終盤43周目。トップを走るバリチェロが3回目のピットストップ。と、同時にシューマッハが接戦を演じていたバトンをメインストレートで攻略。しかし、トップに立ったのはバリチェロ。バトンより2秒近くの差を毎周つけ、ピットでも5.5秒という神懸り的なピットストップをこなし、バリチェロはトップを死守、2番手にはシューマッハがつけ、今年何度となく見た展開となった。
気づけばフェラーリの1・2体制、一度は14番手に落ち込んだシューマッハ。片や、タイヤチョイスのミスで早々のピットストップとなり、優勝は不可能と思われたバリチェロ。全ての可能性を検討し、その戦略とマシン・ドライバーを信じた作戦、そして何よりも両ドライバー共に1分21秒台の鮮烈な走行により、母国イタリアGPでの凱旋を果たすこととなった。1・2体制とは言っても、トップはバリチェロ。フェラーリドライバーとしては最高の舞台モンツァで優勝を飾ることとなった。フェラーリの1・2に続き、BAR勢は3・4番手を決め、ノーポイントのルノーを上回りコンストラクターズ2位につけた。
投稿元:
F1遅報
トラバ対象:
F1第15戦イタリアGP、佐藤琢磨4位完走@livedoor ニュース
佐藤は4位 F1イタリアGP@livedoor ニュース
★F1で佐藤4位 イタリアGP@livedoor ニュース