なんだか、よくわからないけど映画にかかわり始めてしまった私ですが、映画が撮影されるその様を伝える以前に、本当に自分は映画のことを何も知らないんだということを知りました。
かなりミーハーだったこともあり、ドラマは大好きで、ビデオに撮りまくって見る余裕がある限り見まくってたんです。で、いつかはドラマのWebとかを作ってみたいなぁーって漠然と考えていましたよ。そのときの映画に対する印象って、「なんか古い感じ?」っていうなにも分かってない状況だったり。
そんなゆるい気分で挑んだ現場ですが、映画に関わるプロフェッショナル達が本気で戦う職場で、ホントに最初の頃は近づくことすらはばかられた訳です。ホント、恐る恐る現場に近づいて写真を撮って、いろんなことを記録して。うかつにもデジカメのフラッシュを焚いてしまって助監督の方に激怒されたり、本番中に枝を踏んだりして録音の人に怒られたり、妙な位置に立って照明の人に「そこ、影!!」って言われたり...。とにかく、最初の頃はその雰囲気に圧倒されてまともに取材はできませんでした。
自分自身が現場サイドではなく制作サイドから送り込まれた人間だったこともあり、正直いって現場の皆様からの印象は悪かったようです。それでも、1週間くらい通いつめたあたりから、なんとなく現場で何をしちゃダメで、そのなかで何ができるかってわかってきたんですよね。そのあたりから、現場のいろんな人たち、そうプロフェッショナルから話を聞けるようになったんですよね。現場にいる一人一人はカッコいい人ばっか。でも、いざ撮影に入るとなると、ホントに厳しい雰囲気で挑まざるを得ないんです。各部署にはトップがいて、その下についている人たちばかりだから、「つらいよー、きついよー」って言ってたけど、助監督の『本番!』って声が掛かると一気に真剣な表情に変わるわけです。自分自身クリエイターだっていう意識は強かったんですが、本物のクリエイターってモノを見せつけてもらったわけです。監督は神様、その元で働くクリエイターたちは監督の求めているものを提供すること、それが使命なんですよね。でも、それをホントに準備しちゃう奴らに俺は心底惚れました。「つらいよー、きついよー。でもね、やっぱ楽しいんだよ」って言ってのけるクリエイターたちに惚れちゃったわけです。
* 敢えて映画名は出しておりません、気づいた方もコメント・トラバで映画名を出さないようにお願いします