九州に想いを馳せる1【長崎】

 実は九州が大好きです。この前、ひょんなことで九州の話をしたときに思い出しました、そう、俺は九州が大好きなんです。

 大学時代の撮影旅行、当時写真サークルに入っていた私は長崎に撮影旅行に行っていました。行きも帰りも夜行電車。状況は過酷でしたが楽しかったです。長崎では撮影しやすい観光地を避け、あえて街中を歩きました。街中にもシャッターを切りたい画はたくさんあるわけです。
 泊まったホテルは、眼下にお墓を見据えるホテル。先輩の指令によって、買出しに出るも、広大なお墓の中を突っ切っていかなくてはいけない。すごい勢いで突っ切りましたね、そりゃもう。
 長崎の街は坂が多い街で、とにかくつかれました。ちょっと歩くだけでも疲れました。でも、疲れて上りきったそこには、シャッターを切るべき画があるわけです。

 この街には、何十年も前に原爆が投下されました。正直、その事実を知らなければ、この街を普通に感じることができたと思います。でも、私はそのことを知っている。そして、街の至る所にそのことを物語るものがある。ファインダーの中からその事実をそらしてみよう、そうしてみて初めて気づく。この街は、そのことも含めた様々な歴史を含んでいるから、今そこにあるのだと。原爆のことは忌まわしい過去。でも、そのこともひっくるめて、長崎という街はあるのだと思う。

 来年は、久しぶりに長崎に行ってみよう、通算四回目の長崎の街に。