2007.7.23 第19回 ICANN 報告会 at 九段会館 瑠璃の間
0. 高橋徹氏の挨拶
1. ICANN サンファン会議概要報告 (JPNIC 高山由香利 氏)
・サンファンで行われたICANN会議の概要
・2007/6/23-29にプエルトリコのサンファンで開催、115ヶ国から1000人以上が参加
・トピック、運営計画・予算案の承認、gTLDドメイン名登録者保護に関する議論、北米地域のRALO設立、IPv6の実装に向けて、ドメイン名テイスティング、新gTLD導入に関するPDPの進捗、WHOISに関するPDP進捗
2. .asia及びDotAsia Organisationについて (JPRS 遠藤淳 氏)
・.asiaは2006年12月7日にICANNとの契約締結、2007年10月に優先登録受け付け開始予定
・2000年頃からAP*の会合などでアジア用のTLDについての議論が出始める
・DotAsia Organisation CEOにEdmon Chungが就任、香港の非営利法人で会員はアジア太平洋地区20のccTLDレジストリ、APNIC・APNG・PAN
・理事はcn、ir、jp、kr、mo、nu、sg、twの8会員とAPNG、APNICの2準会員、CEO
・.asiaのサービスから得た利益を用いて地域振興を実施
・登録できるのはアジアで法人格を持つ法人、個人
・登録は、政府による国名・都市名など(Sunrise1)の登録の後、商標・商号(Sunrise2)、法人名(Sunrise3)などの優先登録、その後に同時申請受付とオークションを実施して、2008年3月から先願受付開始
・ドメイン名の活用方法の企画案を募集していたりする
3. ICANN At-Large諮問委員会(ALAC)報告 ((財)ハイパーネットワーク社会研究所 会津泉 氏)
・ALAC委員のうち、かなりの人が今年の4月からの就任ということもあり議論白熱、っていうか色々、、、
・AT Largeはようやく形ができてきた
・APRALO、体制作りが課題
・whois膠着状態、IDN進展もあるけど膠着状態、レジスターフライ問題、ドメイン名テイスティング
・geoTLD、地名に関するTLD
・既存のTLDに加えて、制約のないローカルな地名ドメインは、ユーザにとっては非常に意味がある
・今後の課題、枠組み:Adviceでよいのか議決権を持つべきか? ICANNとの関係
・AT Largeの予算は、ICANN50億円のウチの1.19%6千万円、旅費80%、、、致し方ないか
・日本のAT Large、関心低し、、、、ISOC JPと協力?
4. IDN ccTLD 導入に向けた活動について (JPRS 堀田博文 氏)
・IDNとはドメイン名を表わす文字としてASCII以外の文字も使えるようにするための技術
・限定的IDN ccTLD導入、選択された文字列に対してレビュー/異議申し立て/反論することができる期間を決める
・北米やヨーロッパなどは関心が低いのは問題と指摘
・様々な課題と解決策案を作る
・コンセンサスが取れているもの
・IDN ccTLDはどのような国単位に与えるのか、現ASCII ccTLDに対応する国
・IDN ccTLD文字列は意味ある文字列であるべきか、Yes 現ASCIIの2文字では意味がないものになっている場合もある、だからこそIDN ccTLDは意味のある文字列にすべき
・文字列に含まれる文字数、文字数は固定値に規定すべきではなく国毎に決めるべき、いくつかの言語では、ある文字列中の文字数を定義すること自体が困難
・IDN ccTLD文字列のリストは第三者により強制的に決められるべきか、No各国が好きなccTLD文字列を定義できるべき
・その他、基本は国毎で決める部分とICANNが決めるべきものに分かれる
5. ICANNレジストラ認定契約を巡る議論について (JPNIC 穂坂俊之氏)
・RAAは現在900弱のレジストラと契約
・このRAAの見直しを検討
・RAA遵守状況監査の結果、19のレジストラがWHOISを提供をしていない、といった経緯もあったけど、最も大きなきっかけきっかけは、2007/3-4に発生したRegisterFly事件。authinfoコードを渡さない、REGISTRAR-LOCKを外さない、カスタマサービス不全、課金ミス、更新ミス、ICANNへの料金不払い、、、やりすぎですわこの会社。
・そして、RegisterFly社の認定は取り消される。ICANNが職員を派遣して緊急監査(めちゃくちゃまれ)。RegisterFly社の無駄な抵抗はスルーして、上の方からドメインを押さえる。RAA終了を通知して、GoDaddy社というレジストラに一括移転。
・しかし、無茶苦茶なレジストラがいるなぁ
・そして、見直し議論に拍車がかかる
・現在検討中の項目。RAAの目的と手段の明確化、レジストラランク付け、移転ポリシー、認定の「購入」予防、匿名登録関連、データエスクロー、リセーラーの責任、etc
・フェイルオーバーの検討、レジストラの機能不全に伴いレジストラ機能(データ)の移転が出来るようにしておく。既に7社からの応募があり、今月選定の予定。ドラフトが出ています
・レジストリ、レジストラの機能不全の際、どのように登録者のドメイン名を保護するのかといった観点からRAAを含めてプロセスの見直しを行う。既に、日本で実装され、機能しているエスクローの仕組みが注目される可能性
6.IPv4アドレス在庫枯渇に関する議論の状況について (JPNIC 穂坂俊之氏)
・2007/7/18時点で、IANAの枯渇予測時期は2010/3/28、RIRの枯渇予測時期は2011/1/4
・ICANNの場で本格的にIPv4アドレス在庫枯渇についての議論が始まる
・RIR/NIRからIPv4アドレス在庫枯渇について声明発表されつつある
・在庫枯渇に対処するためのポリシー提案が世界各地から提出されている
・ICANNでの声明、GACからはIPv6へのスムーズな移行は公共政策的重要性が増しつつあり進展を見守る、ASOからは一般に問題認知を進めるべき、ICANN理事会決議ではインターネット発展の為にもIPv4→IPv6は必須、関係組織での調整に取り組む
・ARIN理事会決議
・JPNICの姿勢表明
・LACNICの声明、地域内の全てのネットワークがIPv6を採用するようキャンペーン、費用免除
・NIC Mexicoの声明、2011/1/1からはIPv4アドレスは割り振らない
・CNNICの姿勢表明、IPv6を採用しなくてはならず、キャリア・ISPは以降計画を作成すべき
・アドレスポリシー提案、IPv4 countdown proposal、IPv4 soft landing policy、残存IPv4アドレスのRIRへの割り振りポリシー、歴史的PIアドレスの回収と「恩赦」ポリシー
・今後の動き、ICANN会議、IGF、RIR会議等で議論予定、JPNICではミーティングの開催や歴史的PIアドレス回収とか有識者の検討会等など
7.iCANNサンファン会合政府諮問委員会(GAC)報告 (総務省データ通信課 辰川晶子 氏)
・GACとはICANN諮問委員会の一つで、各国政府の代表などで構成されている。各国政府の立場からICANN理事会に対して助言
・現在、101の国・地域の政府及び9国際機関で構成、日本からは総務省職員がGAC代表として参加
・リスボン会議
・IPv6の導入及びIPv4アドレスの枯渇
・IDN
・Fellowship プログラム
・ICANN理事会との協力
・等が議論
8.ICANN理事からの報告 ((株)ネオテニー 代表取締役社長)
・予算承認
・新CFO選任
・IDN関連
・GNSO関連
・理事会メンバー関連、JOIさんも200710まで、ちなみにVinton Cerfも同じ任期