昨日、ツインリンクもてぎで開催されるはずだったINDY JAPAN。スタート開始時間になってもコース上には作業車があふれ、コースのメンテナンスが続く。はっきりとした原因、開始見込みなど一切観客に告げられず、強風の吹き荒れる中我々は待ち続けた。
開始予定から2時間たった15時、たぶん今日は開催できないだろうと誰もが思い始めた瞬間、雨がツインリンクもてぎに降り注いだ。思いは確信へと繋がった。レース順延、ある意味ツインリンクもてぎはあの雨に救われたのかもしれない。しかし、観客はやるせない気持ちでいっぱいだ。小さな子供を連れて家族で見に来た人たち、バーベキューをしながらコース脇で前日から泊まっていた人たち(ツインリンクもてぎではコース脇まで自家用車で入り、観戦することが出来るチケットがある)、観戦ツアーで朝早くからコースで待っていた人たち、、、とにかく、たくさんの人たちが落胆した。
レースは順延する可能性がある。これはINDY レースでの常識であることは分かる。F1やFormulaNIPPON等とは全く異なる速さを持つINDYではレインコンディションでのレースは極めて危険だ。しかし、明らかな雨なら誰もがあきらめがつく。コースはほぼ乾いている、しかしレースは行えない。当日の放送では「水が湧き出してくる」といった程度のアナウンスしかされていない。そして、公式サイトの説明でも、同様に釈明されているが、我々が納得できる経緯など詳細明確な中止理由が公表されていない。
4月19日(土)開催予定のBRIDGESTONE INDY™ JAPAN 300 mile 決勝レースは、17・18日にわたる多量の降雨による一部コース上で発生した湧き水がとめられず、レース実施にあたって安全確保ができないため、やむを得ず20日(日)に順延となりました。 4月20日(日)の決勝レースは11:00スタートを予定しております。お買い求めいただきましたチケットは4月20日もご利用いただけます。
お詫び
4月19日(土)開催が予定されておりました、インディ ジャパン 300 マイルレースにおきまして、インフォメーションの不手際によりお客様に長時間お待ちいただきましたことを心よりお詫び申し上げます。また現場対応の手違いがありましたことを重ねてお詫び申し上げます。
20日(日)のご来場を心よりお待ち申し上げております。ツインリンクもてぎ 総支配人 山田 格
詳細明確な中止理由を求めるのは、今日も同じ事が起きるのではないかと観客が疑心暗鬼になっているからだ。そして、その不安を下記の告知文がさらに煽る結果となっている。
「今日も同じ事が起きるのでは...」、なぜ湧き水が沸いているのか、なぜその湧き水が排除できないのか? 昨日はその湧き水の問題さえなければ、予定通りレースは開始されレース終了後に雨が降り出していたはずだ。原因の特定はもちろんだが、今日開催されるという担保を当日朝の10時まで渡さないとは極めて残念だ。今、観客は疑心暗鬼に満ちている。そう、行ったものなら誰もが思い出す、あの忌まわしき2007年のF1日本グランプリと同様の疑心暗鬼だ。
私が作業を見ている限り、コース上で最も低くなる位置に側溝のようなものがあるように見られた。昨日の作業では、そこに水の吸引を行う車両が張り付き水の吸い出し作業を行っているようだった。2時間、ずっとその作業は続けられた。いや、もっと前から作業は行われていたのだろう。水が湧くことは想定外だったのか? これらを事前に想定することが出来ず、万全の体制を整えることも出来ず、一年に一度のビックレースを失う結果になった(敢えて書かせてもらう、今日来場できない観客は少なくないはずだ)ことは万死に値する。そう、この言葉は2007年のF1日本GPで富士スピードウェイ&トヨタに投げかけたそれと同様だ。
明確な説明は必須だ、確かに1日やそこらで出せるものではないかもしれない。しかし、観客は今日も同様の不安に包まれたままサーキットに向かうことを認識して欲しい。そして、今日来れない観客たちのことを極めて重い事態だと認識して欲しい。「日曜日に順延する可能性がある」、その一文のみで回避できると少しでも考えているのなら、私はホンダを軽蔑する。そう、何度も書くがトヨタのそれと同様に、だ。
そろそろ、もてぎに向かおう。疑心暗鬼を抱えたままではあるが、、、。