【NHKEテレ「ニッポンのジレンマ」presents アダム・スミスが見抜いていた、ソーシャルメディアのジレンマ】
2013.2.18 15:45-16:30
[講演]
木暮 太一
経済ジャーナリスト
@koguretaichi
[MC]
中村 慶子
アナウンサー
NHKソーシャルメディアは、情報の革命というだけではなく、社会の在り方、人々の価値観
をも変えていきます。そして経済社会の在り方、働き方にも大きな影響を与えていくことに間違いありません。
昨年元日の放送以来、大きな反響をよんだNHKEテレ「ニッポンのジレンマ」は、「1970年以降生まれ」の新世代の論客のみによる議論の新鮮さがインパクトとなり、ネット上では、ツイッター、ユーストリームなどで様々な議論が飛び交い、自主的にパブリックビューイングの呼びかけもなされるなど、ひとつのムーブメントとなりました。番組という一方向の流れだけでなく、アクションも生まれ、そこにインターネットの力が大きく働いている、正にソーシャルメディア時代ならでは、番組です。そして、この元日の放送のテーマ「僕らの新たな働き方」も話題となり、その中の論客のひとり、経済ジャーリスト・木暮太一さんの提言も多くの若者たちの共感を得ました。
三社のサラリーマン経験を経て独立、アダム・スミス、マルクスなど、経済学の「古典」
を読み込み、そのエッセンスからこれからの時代を生き抜く知見を引き出す気鋭の経済ジャーナリスト・木暮太一さんが、ソーシャルメディアの経済的な意味での可能性、そして、その変化の中でどう我々は、働き方を変えていくべきか、語ります。
ソーシャルメディアのジレンマは越えられるか?新世代が解く!ニッポンのジレンマ番組HP http://www.nhk.or.jp/jirenma/
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※私的に取ったメモですので、内容については一切保証しません
※ニッポンのジレンマの紹介から、見たこと、ある、、、様な気がする
※富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て経済ジャーナリストって、、、
・経済学から見たSNS
・発散と収束の過程:閉じた社会(収束)→大航海時代(発散)→帝国主義(収束)→戦後自由貿易(発散)→囲い込み(収束)
・google:発散、完全競争市場
・SNS:収束、独占(囲い込み)
・次世代:??(発散系?)
・価値基準を追加:18世紀 アダム・スミス、富の源泉は労働である。労働価値説。→ 19世紀~ 使用価値(効用)メリットが大きいものにお金を払う → SNS時代 共感価値 共感するものにお金を払う
・なぜソーシャルにはまるのか? 個人としてはSNSでお金を稼いでいない、でもSNSを使っている。金銭的なメリットがないのになぜ? ↦ 承認欲求(いいね、RT、賛同して欲しい、認めてもらいたい)
・承認してもらいたい:SNS時代の新しい動き、現代の若者に特有の幸福感(お金いらない、出世いらない、etc)
・アダム・スミスの指摘『道徳感情論』:「同感(同類感情)」が人間の根源的、かつ最大の欲求。誰もが共感してもらいたい、是認されたい、否認されたくない、社会の目を気にして行動する
・誰もが「共感してもらいたい」と強く願っている、それが人間である。いいね・RTなど承認欲求は自然なもの
・ひとは「小さな喜びと」「大きな悲しみ」に対して共感する。怒りの感情に対しては嫌悪感を抱く。他人への愚痴は聞くに堪えない。
・SNS≒現実社会、SNSは新しいサービスに見えるけど中世以前からの人間の根源的欲求に沿っている
・同感欲求が「正しい人間」を作る
・正しい判断基準(正しい感覚)は360度評価によってのみ、形成される。偏った社会の中では、正しい感覚が育たない ⇒ SNS ≠ 人間社会
・SNSのジレンマ:現実の評価と異なる、SNSにこだわると間隔が狭い世界に偏る、現実の人間社会から感覚・基準がずれていく
・「同類の仲間の中にいると、モラルが低下しやすい」「自分と縁遠い人々の中にいることで、自己を統制する力を養うことができる」
・人間は250年間変わっていない
・SNS≠集客ツール:人間の本質・SNSのジレンマを理解し自分と意見の違う人をフォロー、自分と世間とのずれを埋める、共感力を鍛えるツール、人間の本質に立ち戻った利用