私はこの本を、本当に妙なきっかけで知った。たまたま、仕事の作業で書籍のことを知った(新○メルマガ原稿作成)。
この本は、プロの構成作家である堀江誠二氏が末期癌を患い、その事実を知ってから自身の命を全うするまでの、貴重でかけがえのない事実と彼の考えていたことを記した書籍だ。この書籍を私が手にしたのは2006年11月。そう、自分にとって、自分が30歳代に入って最も重大な出来事を目の当たりにした直後だった。
私は、そのとき魂が抜けてしまったような状況におかれていた。彼は、それほどの面識はなかったのだが、末期癌を患いながら、自らの経験を生かし、そして自らの命を引き延ばす。一見、不可能かと思われる行為を繰り広げる人間が、私が知る一人に加えて、もう一人いる事実に衝撃を隠すことはできなかったのだ。
私が面と向かっていた人間は藤田憲一氏。そう、末期癌に冒されていたIT社長として、一時期メディアを賑わせていた人だ。でも、結局の所、2人とも癌に侵されそして亡くなってしまった、その癌という病気のために、、、。
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私はこの2人のクリエイターからかけがえのないものを得ることができた。これまで、癌に冒された患者は如何に癌という障害に立ち向かうかが重要だった。しかしこの2人の選択は明らかに異なっていた。癌という未知の障害ですら、自らの好奇心と信念で自らの人生の素材にしてしまう。ある意味、これは衝撃的だったとも言えるなぁ。
で、そんな堀江さんの本は読了した後も、幾度となく開いている。これだけ目を通していると、自分の脚色が付加されてくる、やーすごいものを残してくれましたこの人は。流石、超ベテラン構成作家。やっぱ、自分も何か残したいなぁ、、、。