【イノベーション型情報活用 -検索が個人力・企業力を強化する-】 at 日経ホール

 というわけで、2008年4月14日に日経ホールで開催されたセミナー【イノベーション型情報活用 -検索が個人力・企業力を強化する-】 に参加してきました。

 が、結論から言いますと私にとって有用だったのは、一番最初のセッション「イノベーション型情報活用」のパネルディスカッション(って、全然ディスカッションになってなかったけど)の東京大学生産技術研究所の喜連川先生の話だけでした。や、周りのオッサンたちにとっては全部参考になるのかもしれないけど、っていうか、ピンと来てない人が多そうだった。

 で、その喜連川先生の話ですが、一昨年の言語処理学会のときの発表でも相当インパクトがありましたが、今回もあのとっても扱いにくい時間の中でパンチのある話が聞けました。とりあえず、喜連川先生の部分だけ抜粋。

・学から見て「わくわくするIT」(喜連川氏)
・Googleはガレージからじゃない、日本の文部科学省のようなものの中から出てきている
・大学→企業→ビジネス、ロングタームでビジネスとして成功してきた
・最近の激しいやつも、基礎的には長い時間をかけたバックボーンがある
・コンピュータサイエンス、Membershipは減ってきている
・先進的なWeb解析技術 Socio-Sense
・実社会の射影としてのウェブ、ウェブは社会のセンサー
・ウェブから実社会の何かを抜き出せるとすごいかも
・日本語ウェブアーカイブの構築
・ウェブの時系列分析
・ウェブ上の中に登場したものは、リアルでも登場したもの、当然と言えば当然だけど、ある意味抜けていたなぁ
・評判情報抽出による世論の分析
・ウェブ空間をコーパスとすると、色々違うものが見えてくる
・新語抽出、検索キーワードが辞書にないパターン
・情報爆発時代に向けた新しいIT基盤技術の研究、250人の研究者
・情報のランキングの危険性
・イノベーションプラットフォームの構築と共有、一つ一つの研究室にではなく、全体でデカイ予算を
・TSUBAKIもこの手のプロジェクト、形態素をちゃんと見る、でも遅い
・基礎研究もちゃんとね
・文部科学省の上に経済産業省のプロジェクトとか総務省のプロジェクトが乗っかってる

・Q.現在の検索インフラに足らないもの
・Q.その為には、日本はどうすべきか
・どうせわからない、でも、次は始まっている
・情報爆発、欲しいものが見つからない(ネガ)、情報爆発からの価値創出(ポジ)、こんだけたくさんの情報があるのだから何かが見つけ出せるのでは
・新たな情報提示
・アメリカはGoogle・IBMと共にプラットフォームを提供する、これ、日本もやれ

・Q.今の環境の中で企業は何をすべきか
・Facebook、myspaceと同じくらいのユーザのSNSがある
・開発者はCSの専門じゃない
・ルールがダイナミックに変化している
・産学連携、学の持ってるものを産業界がうまく使えるように、マッチングの問題、西海岸のようにもっといろ結びつけたい

・Q.結論的に、日本はイニシアチブを取れるか
・自動車はソフトウェアが走っているようなもの、じゃぁなんで検索ではGoogle一人勝ちなの? いやいや、Googleって検索技術は進んでない
・別に卑下する必要はない、勝てる部分で勝てばよい、パーソナル空間でのサーチとか結構いけてるはずだよ

 ちょっと抜粋じゃ意味が分からないカモですが、一般論を語りたがるネット系の人たちにはパンチの効いた話しでよかった。

 というわけで、喜連川先生万歳と言うことでした。