インバウンド観光ビジネスの未来

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 昨年の秋以降、本格的に参入を検討していたインバウンド観光ビジネス。これからの日本の産業としてその伸びを期待していたし、日本はありとあらゆるモノ・場所・文化が観光資源になると考えていた。近くに景気のいい国があるわけだし、あまり難しいことを考えずに日本に来てもらってお金を使ってもらえれば最高じゃないか。そう考えていました、、、今回の震災までは、、、。

原発事故、訪日外国人4分の1に 観光・小売業に打撃 [47news]

東日本大震災や原発事故の影響で、日本を訪れる外国人が急減。地震発生の3月11日から31日までに成田空港から入国した外国人数は、1日平均で約3400人と昨年3月の平均の約4分の1に落ち込んだことが6日、東京入国管理局の調べで分かった。ツアーやホテルの解約も相次ぎ、外国人客への依存を強めていた観光・小売業界は深刻な打撃を受けている。

一言で言い表すと、壊滅状態としか考えられません。地震と津波で甚大な被害を受けましたが、それは徐々に復興できます。しかし、目に見えない原発事故による放射能の問題は、インバウンド観光客に対して極めて確定的な影響を与えたと考えられます。

 正直、自分が海外から日本に来ることを考えると、この時期に敢えて日本に来る必要は無いと考えるでしょう、それは当然です。諸外国が日本に対してどのような情報を出しているのかわかりませんが、原発問題によるリスクが顕在化してしまった今、この問題が収束するまで日本という国に渡航することは薦められないと考えて当然だと思います。

 この問題が解消するにはどれくらいの時間を要するのでしょうか。私は原発や放射能の専門家ではないので全く想像すら付きません。たぶん、国も当事者である東京電力もわからなのではないでしょうか。そう考えると、インバウンド観光がこの先どうなるのか全くイメージ出来ません。正直、真っ暗闇で出口が見えない状況だと思います。

 ただ、一つ言えることはこれからの厳しさを覚悟した上で、根気強く海外に向けて情報発信を続けなければならないと言うことだと思います。というのも、震災の影響というよりは原発事故の影響だと思いますが、被災地近くや関東圏では無く、なんの問題も無い九州への外国人観光客まで激減しているからです。

ハウステンボス「外国人観光客ほぼゼロ」 震災と原発事故で九州観光大打撃 [JCAST news]

長崎県のハウステンボスや宮崎県のシーガイア、大分県湯布院町など、九州の観光スポットから外国人観光客の姿が消えている。2011年3月11日に発生した東北関東大震災とその後の福島第一原子力発電所の事故の影響で、宿泊などのキャンセルが相次いでいるのだ。

海外メディアの日本全体が危険であるかのような報道のせいで、原発事故の起こっている福島と九州は1500キロメートルも離れているにもかかわらず、九州の観光産業は大打撃を受けている。

どう考えても、九州エリアで影響が出るとは思えないのですが、日本という国で起こっていることとして原発事故もひとくくりにされてしまっていると思います。それでも、日本を避けることは理解できるのですが、このままだといつまで経っても外国人観光客は日本に戻ってこない可能性が高いです。そのためにも、日本のそれぞれの地域についての情報を出し続ける必要があるでしょう。

 なんの根拠も無いのですが、インバンド観光については元の勢いに戻るためには数年では無く10年近くかかるのでは無いかと考えています。全ては原発の状況次第とも言えますが、長期間にわたって耐える覚悟が必要だと考えています。
 観光地としての日本だけでは無く、安心安全の日本製品ブランド、それ自体が今回の原発問題で崩れてしまいました。どちらも乗り越えなければならない壁は同じです。観光業界のみならず、諸外国に向けて情報発信をしなければならない業界は、力を合わせて正しい日本の現状を伝える必要があります。

 正直、私自身はインバウンド観光ビジネスを初めているわけでは無いので、参入を見送ればいいとも考えました。ただ、この分野についても日本は必ずや乗り越えなければいけないし、乗り越えることが出来ると信じています。
 日本国にとっての有望産業としてのインバウンド観光ビジネス、その考えは全く揺らがないと考えています。この後、20年近くを費やす覚悟でインバウンド観光ビジネスの世界に関わるつもりです。障壁が大きければ、乗り越えた先には本当に明るい未来がある、それを信じてこの道を進んでいきます。