SMW2013 【3編集長が明かすデジタル時代のビジネスジャーナリズムの裏側】

【3編集長が明かすデジタル時代のビジネスジャーナリズムの裏側】
2013.2.21 13:55-14:30
[モデレーター]
磯山友幸
経済ジャーナリスト
[Speakers]
瀬尾 傑
現代ビジネス編集長
講談社
飯村 かおり
日経ビジネスオンライン編集長
日経BP社
原 英次郎
ダイヤモンド・オンライン編集長
ダイヤモンド社

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※私的に取ったメモですので、内容については一切保証しません

磯山:自己紹介とメディアの紹介を
飯村:日経ビジネスオンライン、今年で7年目、紙・オンライン(Web)・スマホアプリの3つ。内容については多様な記事が掲載。内部記者が各記事と、外部ライター、著者の方に書いてもらう記事がある
原 :ダイヤモンド・オンライン、2007年10月。特徴はごった煮的に。あるジャンルにフォーカスしているわけではない、マクロからミクロまで。週刊ダイヤモンドとは別々で運営している。スタート時点は本誌からの転載が多かったが、今は8割がオリジナル
瀬尾:現代ビジネス、3年前に立ち上げる。元になる紙媒体がない、オリジナルで立ち上げた。PV重視ではなく、品質重視。日経ビジネスやダイヤモンドのように産業別の記者を手厚くはおけない。なので、政治と経済のどちらも行けるメディア。ソーシャルを意識、堅い著者がおおいが対談はUstreamでながす、セミナーで読者と交流
磯山:紙媒体があるメディア、紙との関係は
飯村:紙とWebの使い分けについては完成形には至っておらず模索中、世の中がどんどん進んでいってしまっている。ワカモノは紙からどんどん流出している。紙との棲み分けは悩みながら進んでいる。アプリの中で雑誌のコンテンツとWebのコンテンツを見せる。日経ビジネスオンラインの記事を紙側に転載もしている。紙は制限がある、面白くても一部しか載せることしかできない。紙で使うのはちょっとだけだけど、Web側で全文掲載をするなど
磯山:紙を補完しているというカタチですね。ダイヤモンドは別々とのことですが、
原 :コンテンツは媒体で変わるわけではない。Webは広告モデル、紙は依然主力でカバーするには至らない。まだ、回答が見えない段階
磯山:ダイヤモンドオンラインは黒字ですか?
原 :コスト按分の話が出るので、浮き沈みがある感じ。かなりいい線までは来ている
磯山:日経ビジネスは紙が強いと思いますが
飯村:最近の傾向を言うと、紙の販売収入があるので差がありますが、流れとしてオンラインの方に来ているような感じがある。日経ビジネスオンラインが頑張ってもらわないと、という空気でプレッシャーです
磯山:日経ビジネスと日経ビジネスオンラインの切り分けをしなくなっている。瀬尾さんのところは
瀬尾:紙がないからこそ自由にできる。対談を丸ごとを流すなんて、どうなの、それを文字にして読む人いるの?というわれるがどんどん流してしまう。Webなのでページ数制限もないので波紋を呼ぶようなこともどんどんやっていきたい。会場でマスコミを信用している人は手を上げてください。(しーん)一人もいない、、、どうしてもマスコミは信用されない。結局、マスコミはビジネスなんですよ、ある程度大手の読者を獲得するような単純化をしてしまう。一方、Webは専門性を追求できる。マニアックな記事を載っけていて、読んでも全然わからないようなものもあるけど、逆に高く評価される。その結果、いい読者が集まり、そこに広告を出したいという人がいる。マスコミ批判はビジネスチャンスだと考えている。個の不満を解消するビジネスをやれば絶対に受け入れられる
磯山:デジタルメディアは自由にやればいいものが作られる
瀬尾:ただ、とても厳しい。アメリカでも広告モデルで成り立っているかというと難しい、半分くらいは寄付でまかなっていたり。日本の環境はいろいろ難しい、金持ち投資家も少ないし
原 :2006年、一旦マスコミを離れて戻ってきた、ものすごい勢いでネットが進化。辞めるときはこっちが発信する側だった。戻ってきてわかったことは物理的な制約が少ない、質の高い情報を我々の手を介さずに発信されている。メディアの情報発信の本質が問われている。情報発信側の既得権益が完全に突破されている。マスコミは物事を判断・評価する能力には疑問符がつく、なので論争を巻き起こすようにしたい。論争がどこにあるのかを見つけ出すことが我々の役割。メディアとしての場を作り出す、これだけの英知が世の中にはあるのでそういう場を作ることは1つの試みだ
磯山:ジャーナリズムの本質ですね。発信することができるようになって、どんどんみんなが出てくる。記者を抱えて取材するよりは、専門家に書いてもらった方がよいのでは
飯村:まさにその通りでジレンマ。記者が数年追いかけているとは言っても、たかが数年、それで別に移動してしまう。その分野の専門家、何十年も調査・研究している人たちとは全然違う。記者と専門家、どっちの方が信頼できるのだろうと悩んでいた。ただ、最近はどっちもいいんだと考えるようにしている。どちらにもいい点がある、両者をいかにメディアのなかで扱うかだと思う
瀬尾:メディアは恣意的に切り取っていると感じているようだ。取材で公正中立というけど、産経新聞みたいにポジションをちゃんと見せることは重要。公正はもちろんだけど、中立は無理。自分がどこにいるのかを見せることが重要。Ustみたいに誰でも見れるものが記事になるとどうなるのかとか、受け手に感じてもらうことが必要
磯山:日経新聞の論調は誰が言っている話しなのかよくわからない
瀬尾:この前の大統領選で話題になったニューヨークタイムズの調査、49勝1敗で的中している。いろいろな新聞の調査で一番はずれたのがギャロップ、一番金をかけているのに24勝26敗。アメリカは法律で固定電話にしか調査がかけられない、民主党支持者にリーチしない。データジャーナリズムは新しい可能性がある。Webはいろいろなチャレンジができる
磯山:3誌ともビジネスジャーナリズムをやっている、経済ネタで稼げますか
原 :もっとも読まれるのは儲かる、役に立つ記事。じゃあ、そういうものに課金すれば良いのかといわれればわからない。マクロ的な話しと個々人の話し、紙は後者の方が部数が伸びる。Webはいろいろなことができるのでトライできる。って、全然回答になってないか
磯山:マニアックな記事を載っけたりする、編集長によって違いが出てくると思うが
原 :確かに出る。硬派は的なもの、無料だからかもしれないけど意外と読まれる。でも、下世話的なものも読まれる、同じ読者かわからないけど
飯村:個人的にはがちがちに硬派的なものは好き。でも、バランスが重要。今こういうものを読んで欲しいというものをちゃんと出す。世の中ビジネスパーソンで成り立っている、働く上でどう考えどう動くべきかそれをメディアで出さねばならない。ただ、幅広く多くの人に読んでもらわないとビジネスにならない。幅広く、信頼性、多様性をテーマとして出していく
磯山:所詮PVなのかされどPVなのか
瀬尾:PVというよりは読者の質だと感じている。現在300万PVだけど、PVではなく読者の質にこだわりたい。有料化は1つのカギ、広告収入と半々を目指したい。有料メルマガをはじめていて、そういうもので半々になればいい。日経ビジネスとセットになっているのなら、もうデバイスを配っちゃったら同化
飯村:有料課金モデルとしてアプリを
磯山:それをやっちゃうと社員が半分くらいいらなくなるのかな
飯村:デジタルをはじめたら、担当者の仕事量が2~3倍になっている気がする
瀬尾:新聞記者が仕事が増えて大変。若い人たちはずっとPCで打ってる、20年前はメモ書きをデスクに入れていたけど、今は完全原稿をデスクに入れないと行けない、質問する余裕も無い、昼寝する余裕も無い。毎日起きていることに追われてて考える余裕がなくなっている
磯山:それぞれの、SNSの活用について
瀬尾:個人的なTwとFbはあるけど、現代のFbがあるのでいいね!してくださいね。そうそう、磯山さんと久しぶりに会うけど、Fbで繋がっているのでいろいろ勘ぐりを入れなくても済む
原 :Twのアカウントのみ。ネットセキュリティの記事を書いてもらって、いろいろリスクを感じていたので
飯村:日経ビジネスと日経ビジネスオンラインで別々にFbをもっているのでいいねしてください