SMW2013 【ソーシャルメディアの進化、小さな組織と社会イノベーション。 Social Innovations, Small Organizations, and Evolution】

【ソーシャルメディアの進化、小さな組織と社会イノベーション。 Social Innovations, Small Organizations, and Evolution】
2013.2.21 16:30-17:10
ソーシャルメディアの進化と、情報通信技術・サービス全般を覆う破壊的なオープン化や低価格化は、小さな集団の活動基盤を強化し、彼らの影響力を増幅しました。いま、ソーシャルメディアはそうした人々が引き起こす「社会イノベーション」や「大規模な社会変革」への期待とともに語られることが増えています。本講演では、2000年代初頭から情報社会研究の一環として行なってきた、欧、米、アジア、そして国内各地での現地調査や当事者への聞き取りなどにもとづき、その可能性やメカニズムについてお話しします。
http://www.glocom.ac.jp/
[Speakers]
庄司 昌彦
講師・主任研究員 Assistant Professor, Senior Research Fellow
国際大学GLOCOM Center for Global Communications, International University of Japan

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※私的に取ったメモですので、内容については一切保証しません

・OpenKnowledfeFoundation Japan
・2006年から地域SNS研究会、グローバルSNSの影でやっている地域SNSの栄枯盛衰を見ている

・情報社会・学:社会の変動、農耕社会から産業社会、情報社会? 前の時代からの類推で、今後何が起きるのかが予測できる
・情報社会を担う人々:ハッカー、ギーク、オタク、スマートモブス
・情報化活動の中心となる人材:スーツからハッカー・ギークへ
・スマートモブス:ネットワークを通じ協調行動する人たち、ハワード・ラインゴールド。モブ(群衆)。社会を変えた事例としてフィリピン政府を倒す
・創発民主制:JOI伊藤、2003年
・情報社会学序説:公文俊平、2004年
・フィリピン、エストラーダ大統領、スマートモブスによって権力を失った初の国家元首。100万人以上のマニラ住民がテキストメッセージの並で動員、連携、エストラーダは倒れた
・フィリピンは携帯中心の国、固定より携帯が中心。テキストメッセージングが活発、2004年時点。携帯で倒されたが、携帯が全てではない

・Friendsterの台頭と凋落:SNSの原型、世界に先駆けフィリピンで投入
・ブラジルでOrkutが大流行、アメリカよりも。ブラジルで調査した結果、友人間コミュニケーション・出会い・つながり、ライバルがいない、オフラインとの融合(ネットに閉じていない)、創発的な雪崩現象(招待状送信が積極的)
・韓国のネットユーザーと政治:盧武鉉、世界ではじめてインターネットを駆使して当選した大統領。地縁・血縁が強い韓国の中で、ネットや携帯電話を駆使する市民の盛り上がりに支えられた。裁判で辞めさせられそうになったが、若者の投票率向上、ひっくり返す。

・国内での活用、日本の政策形成過程。鉄の三角形、政・官・財。90年代から政策形成過程が変化。自民党一党支配の変革。
・ネット・コミュニティの活用:電子掲示板の活用、ただしうまくいった時期は短く2年程度。ITを使った住民参加は失敗となった
・電子掲示板後:自治体サイト、地域SNS、ブログ。2005年前半2chのPVをmixiが上回った。掲示板からSNSへ。熊本県八代市のごろっとやっちろ、地域SNS。
・平行して地域社会の問題:高齢化と人口減少、人のつながりの希薄化、自治会・町会、業界団体も機能不全。高齢者が寂しく暮らす社会化が進む。2006-08、地域SNS、オフ会、リアルの拠点、商品開発、メディア。ツイッター・Facebookの普及、また東日本大震災の影響も有り地域SNSは減少傾向
・パリ・Peuplade、日記を書くのではなく予定を書く、出会いを促す。隣人祭りとの連携。
・連帯化強化志向が強い日本の地域SNS
・ソーシャルキャピタル(社会資本関係)、人のつながりと地域活性化のモデル、つながり方にもいろいろある一極集中よりも多極的なものが良いのでは

・ヒッピーとハッカーを動かす小さな集団
・ヒッピー文化1960年代、ハッカー文化1960年代
・デンマークのクリスチャニア、現代のヒッピー文化
・近年の社会運動とハッカー文化、アラブの春、海賊党 インターネットユーザーの価値観を持ち込んでいる、オキュパイ、ロンドンの暴動、中国・香港

・小さな組織と社会
・インフラ・プラットフォーム・コンテンツサービスがオープンに成り小さくても影響力を与える
・なぜ小さな集団:意思決定と創造性と速度、力の増幅、創発と多様性(小さい集団が全て成功するわけでは無く、たくさんできるので成功する集団が増える)
・機能しない政府、機能する小さな単位、機能する政府に向けて。ソーシャルメディアは多様性を生む場所になるのでは