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2009年2月26日

京都ブランドフォーラム in 東京 『日本の文化・京都の魅力』

カテゴリ:イベント

京都ブランドフォーラム in 東京 『日本の文化・京都の魅力』
コーディネーター:寺脇研(京都造形芸術大学教授)
パネリスト:
・笹島保弘(イルギオットーネ オーナーシェフ)
・永田萠(イラストレータ・絵本作家)
・島田昭彦(株式会社クリップ 代表取締役)

・京都の観光は不況の影響をあまり受けていない

寺脇氏
・不況の話し
・モノが売れないのではなく、売れるものが無い
・成熟し始めた社会という仮説
・河合隼雄が師、文化庁長官時代からのつきあい
・バブル崩壊後の不況時、文化・芸術どころじゃない
・不況だからこそ、文化・芸術を考えよう、しかしメディア・政治は不況克服一辺倒
・東京からやろうとするからいけない、むしろ東京以外から始めたら道だろう
・関西から日本の文化を元気に、真っ先に手を挙げてくれたのが、京都・大阪・神戸
・景気回復が始まる前から、関西は動き始めていた
・関西の方が歴史は古く、文化は深い
・文化をバックボーンにしている人たちの存在、関東の経済をバックボーンにしている人たちとの違い
・丸の内、豊島区、新宿、、、全部関西の影響
・政治経済は関東、文化は関西から
・京都、子供の頃教科書で学んだものや、修学旅行で見た京都ではなく、ここ最近は新しい京都が生まれている、新しい京都の文化が生まれている

笹島氏
・大阪生まれ、大阪育ち、両親が一時期京都に住んでいた
・ずっと、大阪、そのあとイタリア、帰ってきてから大阪じゃない関西圏で、というわけで京都で仕事を
・京都に凄く興味があった訳じゃなかった、でももう20年経つ
・具体的に何がはまっているのかは説明できないけど、自然に京都にはまっている
・最初の頃から感じていたけど、愛情がある人たちが多い
・京都発信のイタリア料理
・イタリアという国が好き
・京都で過ごす内に、京都の地のものにも興味を持つ
・京都というと、東山、鴨川界隈、そのあたりにお店があれば
・八坂の五重塔の真横でお店を持った
・鴨川の脇に新しいお店を構えた
・巡り会い
・東京にもお店があり、京都と往復の日々
・最終電車21:20、21時のラストオーダーのあと新幹線に乗って京都に帰って寝る、次の日仕事が東京であったとしても
・京都、日本人のDNAの中にある原風景のうちの一つ、無性に落ち着く
・東京から京都に来た人はみんな「京都っていいですよねぇ」と言う
・不思議なオーラがある街だ
・もちろん、いいところばかりでもない
・東京と京都で対局な部分、たった新幹線2時間の距離なのに
・水が合う、合わない
・昆布だし、京都の場合煮出さなくても、昆布をつけておくだけで出汁が出る、東京のお水では出ない
・京料理は水の料理、水が軟水、色をつける必要がない、実は京料理は味が濃い
・東京の料理には色々な調味料を加えないといけない
・素材に関しては京都は野菜、京野菜以外もとにかく素材がよい
・スパゲティは東京が良い、東京は硬水、細麺適
・料理は土地土地のもの
・東京赤坂の某店
・京都から毎日100リットル水を運んでいる
・はも・あゆの料理を東京で作っていると、不思議としっくり来ない
・むしろ東京の魚を使った方がしっくり来る
・その土地のものは、その土地で調理した方がよい
・地方からのオファーを受けてよく行く、地元(京都)発の料理という考え方をを色々な地方に浸透させたい
・京都が大好きで京都に来た訳じゃないけど、知らず知らずのうちに京都で人生の半分を、その時を経てやはり自分が京都に惹かれている事に気付いた

永田氏
・ファンタジー絵画
・40年
・100冊以上、ほとんどを京都で書いた
・しかし出版社は東京
・東京の出版社から言われることは、なぜ東京に住まないのか?
・私は本当に京都にあこがれて、学生時代を過ごして、いい先生に出会って、仕事を始め、会社を作り、子供を育て、、、人生の大半は京都で過ごしている
・でも、京都ではよそ者、、、5代目までは恥ずかしい
・創造する為の環境、それは東京では感じることが出来ない
・事実東京でも仕事をしたことがあるので分かるけど、何かが違う
・京都には川がある、川の流れがある
・京都の川は自然の風情が残されている
・でも、人の手が入っている、人のぬくもりを感じる
・世界中仕事で回るけど、京都の山を見るとほっとする
・今は上賀茂に住んで居る、薄墨画のような山々、ココじゃないとダメだと感じる
・絵描きは自然にあこがれる、美しいと感じて描く
・京都は絵心がくすぐられる
・文化をバックボーンと持っている、それだけに厳しい目で見られる
・新聞は京都新聞、全国紙は地方新聞、、、すごい
・京都を愛する人たちは京都新聞を購読する、京都外でも
・京都を売り物にするな、知ったかぶりをするな、新聞連載時に編集者から言われた心得
・変なことを書くと、すぐに電話がかかってくる
・京都人が難しい訳じゃない、京都人は都人、批判力を持っている、京都に住むことに責任を持っている
・洗練された京都人に学ぶことは多い
・京都の子供について、未来の京都人
・上賀茂小学校、太田神社、上賀茂神社
・子供をよく書くので、仕草を見ている、横顔や後ろ姿などをデジカメで撮ってる
・子どもたちの会話、お豆さん、お芋さん、「さん」をつける、これこそ京言葉だと、住んでいる人たちの言葉
・お地蔵さんがいれば、ちゃんとお辞儀をする、手を合わせる、教えられたものではなく自然に身についた文化、そして、それを教える大人がいる

・地蔵盆の話し、否応なしにお地蔵さんを意識せざるを得ない
・週休二日制、うまくいっているのは京都と沖縄、東京はうまくいかなかった
・地域が子供を育てようという考え、未だにその考えがある
・あらゆる人が田舎者になれるのが京都、東京人でも京都では田舎者
・東京にいると自分を客観的に見れないけど、京都だと客観的に見ることができる

島田氏
・株式会社クリップ、人・物・文化をクリップする、キーワードは伝統とモダン、京都・烏丸大学NPO
・生まれ育ち京都、高校まで京都
・実家は着物に家紋を描く仕事、紋章工芸、着物を作る課程のうちの一つ、お客さんは皇室や歌舞伎など、地味で内向きな仕事
・小中高と外向きに育っていた、家の仕事が好きになれなかった
・口うるさい職人が多い
・家も人間関係が親密で、周りのおばちゃんが口うるさい、京都らしい環境で育った
・東京の大学、東京の出版社、文藝春秋Number
・1990年代、日本人アスリートが世界に飛び出した時代、自分も一緒に海外に行った
・海外では、国ではなくどこの街から来たかと聴かれる、イタリアではよく聞かれる
・そして京都と答えると、イタリアの片田舎のおばちゃんが京都のことを知っている
・京都についてその魅力を考えさせられた
・出版社の次は京都に立ち返るべきだと感じた
・それまでほとんど京都に帰らなかった
・久しぶりに京都に帰って、色々な人たちの話を聞いた
・和傘のお店年商100万円、月商じゃない
・匠、いいものは作れるけど、今の時代にマッチするモノを創り出すことは出来ない
・東京のデザイナーを連れて行った、和傘を照明器具に変えたいと相談
・和傘の上を閉じないデザイン、世界に発信できるモノに
・リデザイン、京都のモノを世界に送りだす
・伝統とモダンを融合
・伊右衛門、サントリーと福寿園のコラボレーション、ペットボトルお茶、伊右衛門カフェ
・衣食住
・竹と和紙、フランスで受け入れられた
・現在は東京と京都を往復しながら、京都の様々な文化を世界に発信している

・けったいな人やな、変わった人、変人、面白い人、実はその人を認めている評価
・おもろい人、同じく、でも、東京では嫌がられる、人をバカにしているのか、と
・京都産業大学の益川先生とか
・人まねはしない独自性を追求する
・10何代続いていても変化している
・伝統は革新の連続である

・レストランには色々なお客さんが来る、とんでもない何代も続いてる料亭の人、そんな人たちから様々な質問を受ける、色々なモノを受け入れている、自分の代で出汁の味を変えるとか
・老舗はそのような変化を受け入れているモノが残っている
・京都にはトラディッショナルなお店もあるし、革新的なお店もある
・古いモノを守るだけではなく、新しいモノも受け入れる

・イルギオットーネ10代目の頃には、イタリアンじゃなくて京料理になっていたりして
・漫画、映画、全く新しいものは京都から
・映画の機械は西陣の職人がメンテナンスしたとか

・東京のホテルで着付けの時に、「京都から来た」というとプレッシャーになる(笑)
・着物は注目される
・京都に住むことの幸せは、街に着物のメンテナンスをしてくれるお店がいくらでもある
・汚れてもメンテナンスできる
・着れなくなったら羽織にする、その先は帯に出来る
・着物は三割方美人になれる
・京都は着物を着ている人には親切になる
・着物も新しいものが出てきている
・グラフィックと染色
・インクと染料は似ている
・絹に染料で作品を作っている、絹絵、色あせしない、退色しない
・新しいモノを創り出せる、そういう街

・和装文化
・まずは着物に触れてもらいたい
・でも接点が少ない
・京都駅で着物に着替えられる、気軽に
・東京で仕事を終えて京都に来る、海外のアーティスト、着物に着替えたいという希望があったり
・京都市長の正装は着物
・京都では外人が着物を着ているシーンが多い

・イタリアで仕事をもらう、その条件として京都でお店をやっている、そして東京でもお店をやっている、彼らからすると京都と東京は全く違う街で、その二つの街で仕事をしていると言うことは非常に興味を持たれる
・スーツケースに鱧を入れて持って行く、ゆず・七味・昆布、いろいろ持って行く
・受け入れられるかどうか心配だったけど、とても興味を持ってもらえた
・イタリアもフランスもプライドが高いが、とても興味を持っている
・アメリカより欧州の方が、京都に興味を持っている
・日本酒を造った、自分の料理に合う日本酒を、ワイングラスに合う日本酒を
・清水焼にイタリアンを盛る
・京都の文化・技術の情報が少ない、接点を積極的に創り出したい

・日本の箸、海外の人たちは興味はあるけど触れたことがない人が多い
・箸は、箸自体より、竹や漆といった素材に興味を持つ
・3年5年10年経つと、それらの素材感を海外の人たちに広めることが出来るのでは

・イタリアン、そういった区分けが出来ない領域
・イタリアでは味噌醤油は当たり前、日本人だからこそ出来る盛りつけ、感覚的な部分を見せると評価される
・フランスの三つ星シェフが店を閉めて、京都の料理を学びに来る

・京都は色々な意味で追い風が吹いている
・本物を知る人は、すぱっと本質が分かる、そういう人たちが京都に興味を持っている
・京都の日常の暮らしは、日本の上質の暮らしと感じる
・お金をかけるわけではない、心、感性の問題
・京都の人は、一度京都を離れるべき、京都の良さを知る、京都の為になることをしたくなる
・なぜか、京都出身の人は京都に帰ってくる

・京都がいいんだ、他がそうじゃないという訳じゃない
・日本のいいところは京都のいいところと重なる
・京都のいいところは、日本人全体が抱くべき日本の良さ

・東京が京都がと言う考え方ではなく、あくまで日本の中の京都、東京の良さ、それを見いだすべき
・世界を意識して、日本の良さを見いだしたい
・その上で、それら全部をひっくるめて地球の文化と思いたい

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とても興味深いフォーラムだった。何となく京都に抱いていた感覚がはっきりした気がします。京都に4年間住んでいただけでは全く分からない魅力が分かりました。うーぬ、京都でのビジネス、色々アイデアが沸くけど、もうちょっと自分自身勉強しないといけないなぁ。



投稿者 ymkx : 2009年2月26日 15:57 |