2012年9月 7日

戦略おべっか ホイチョイ・プロダクションズ著

[ReTweet This!] カテゴリ:ホイチョイ・プロダクションズ/書評

 ホイチョイ・プロダクションズの新著【戦略おべっか 講談社】を読みました。

 結論から言おう、営業マンは全員買え、そして実践できることから実践しろ! あなたが有能すぎで仕事取れすぎで「いやーん、まいっちんぐ」と余裕ぶっこいてる奴には必要ないが、残り8割の人間だったら今すぐ買え、本屋に行け、Amazonにいけ、ソープにいけ(無関係)。

合理的経営と思われがちな外資系ビジネスマンにおいてすら、ゴマすりは生きていくための必須条件である。ましてやそれは、日本のサラリーマンにとって絶対に必要な「武器」である。先生不在、先輩不在、大人不在の現代、誰も教えてくれない社会人として生き延びる具体的マナーを厳選、新社会人はもちろん、転職先でも、後輩指導にも役に立つ、ありそうでなかった実用コミュニケーションバイブルが出来上がった。

これだけじゃわからないよなぁ。まー、俺が読んだ感想を一言で表すのなら、

「そりゃ、電通は汐留にビル建てられるわ」

かな。無関係とは言い切れないと思うよ、いや本気で。1000円でそんなノウハウを得ることができるんだったら、安い安い。ほら、今すぐ買え、Amazonのアフィリエイトリンクを踏んだ上で買え!



 ただ、一点だけ断っておこう、俺に対して【21】だけは実行するな、絶対に実行するな。これを実行した奴は絶対に許さん。あー、俺以外にだったらやってもいいよ-、もぺもぺー。

 あと、この前【3】をやってる奴がいたんだけど、受け取りづらいからやめてくんないかな。何事もやり過ぎは禁物である。ふぉっふぉっっふぉふぉっっっふぉおおお!

投稿者 ymkx : 2012年9月 7日 12:44 |

2010年10月 4日

もしもし下北沢

[ReTweet This!] カテゴリ:iPhone/iPadアプリ/下北沢/書評

 元々この連載が毎日新聞で始まったときに、連載がある日だけは毎日新聞を買おうと思っていたけど、初回から新聞を買い損なってしまい結局単行本になるまで一切どういう話しなのかも知らず、この本を読みました。

 や、所謂「紙の本」は読んでません、iPadのアプリ、そう電子書籍で読みました。電子書籍で読む小説は2冊目か。や、1冊目は読み切ってないから、もしもし下北沢が初めて読み切ったアプリ本ですな。あ、最初に書いちゃっておくけど、これアプリとしては最低です、超使いづらい。でもね、実は使いやすいアプリは本をダメにしちゃうかもしれない。逆のパターンもあるけど、このお話しを読むためにはこのイマイチなアプリがちょうど良かったんじゃないかな。

 Amazonとかに掲載されている物語の概要はこんな感じ。

『お父さんが知らない女と心中してしまった。残された私は、自分の人生をやり直すため、下北沢に部屋を借り、近所の小さなビストロで働き始めた。ところが、ようやく日常生活を取り戻しつつあった頃、突然お母さんが私の部屋に転がり込んできて、奇妙な共同生活が始まる。
決して埋めることのできない喪失感、孤独を抱える母娘を下北沢の街がやさしく包み込む――。
どこにでもある、でも、たったひとつの人と街の愛しい物語。』

 「へっ? 下北沢である必要がなんであるんだろ?」ちょっと斜め目線の考えなんだけど、それは本当に正直に思った最初の思い。
 下北沢で10年ちかく働き、5年くらい住んだ街。自分ではこの街のことを十分すぎるほど分かっているつもりだった。物語の舞台になる、もう無くなってしまった桜の木があるお店。南口商店街中にコーヒーの匂いを漂わせる、あのお店。この話に出てくるお店も通りの名前も自分は知っているし、十分分かっているつもりだった。いや、この本を読むまで下北沢という街のことは、十分分かっているつもりだった。この本を読んだら、その「本当はこの街のことは何も分かっていない」ということを再認識させられた気がした。街のことは分かっていても、人のことはわかりやしない。そんな本当にいろいろな人たちをひっくるめて、下北沢という街は今日も時間が流れていく。

 物語の流れは、想像以上にゆっくりだ。でも、そのゆっくりとした時間の流れがこの物語には必要だし、実際に連載は毎日新聞で1年間続いたことを考えると、読み手にとっても読み心地の良い時間だったに違いない。ああ、それを自分は一晩で読んでしまって、なんというもったいない事をしてしまったのだろう、、、。でも、自分はせっかちだから毎週なんて読んでられないだろうなぁ。

 35歳で男の自分には、20代の女のコの思考なんて全然分からないし、この物語の主人公の考え方や発する言葉も正直理解できない、と言うよりは、単純によく分からない。でも、下北沢にはそういう人がいても全然おかしくない街だなと言うことは理解できた、いやいや思い出した。本当にこの街に多色々な人たちがいる。わかりやすいから、ミュージシャンと舞台役者あと売れ初めのお笑い芸人、そんな風に下北沢に居る人たちを指したりするけど、よく考えたらそいつらは圧倒的に少数派で、そいつらを見続けたり逆に全く無関心でこの街で暮らしている人たちが本当は大多数なんだ。そう考えると、普段街ですれ違っているだけの女のコの日常をのぞき込んでしまった気分で、ちょっと小っ恥ずかしい気がするなぁ。

 正直、あの桜の木が切られてしまったのは本当にショックだったし、本当になんでそんなことになっちゃうんだろうとか考えたりしました。今、あの桜が生えていた場所は無意味なコインパーキングになってしまい、あの何とも言えない趣のある佇まいの建物は、7階建ての最近っぽいモダンでシャープなコンクリートの建物が建ってしまいました。この物語の中では、あそこにあったお店が火を落としちゃうところまでが描かれていますが、そこにいた人たちはそれからも生き続けていき、新しい物語が生まれていきます。そして、現実にその場に建てられたコンクリートの建物に、たくさんに人たちが移ってきて、今後何十年かけて下北沢という街の一部として物語を創り上げていく要素になるわけです。

 実は、年末に6年間続けてきた自分のお店を閉店することになり、もう下北沢なんてどうでもいいやと思い始めていた所でした。頭の中では分かっているのですが、自分が始めたお店が無くなってしまうことは本当に耐えられない想いがあります。この街は今までだって新陳代謝を繰り返してきたわけだし、現実をぶち壊してまでお店を続けられないことは当然なんです。この本を読んで、ちょっと前に進められる気がしました。そして、ちょっとだけ下北沢という街を愛おしく感じられました。

 下北沢に住んだことがない、いや、下北沢に来たことがない人がこの話を読んだらどう感じるんだろ? たぶん、下北沢と言う街に来たくなることは間違いないと思います。いや、来てみて間違いないと思います。もう、物語の舞台になったそのお店だけは無くなっちゃったけど、それ以外のお店は全部残ってるよ。

 下北沢に住んで居る人には、是非読んでもらいたい。そして、下北沢に来たことがない人もこの本を読んで下北沢に遊びに来てもらいたいです。そうだ、これか「下北沢ってどんな街?」と聞かれたら、この本を薦めてみよう。舞台としての下北沢は絶対に気になるはずだからね。さてと、オレは大洗の水族館に行く日程でも調整しようかな。

投稿者 ymkx : 2010年10月 4日 12:29 |

2010年10月 1日

不器用なシモキターゼ 平松 昭子著

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 タイトルからして、下北沢のガイドブック的な話しなのかなぁと思ったら、下北沢在住なイラストレーターさんの子育て本でした。

 マンガと解説という組み合わせで読みやすい。下北沢情報が満載じゃないのですが、下北沢にいる人間からするとすごくわかるエピソード満載。子育てをしてる身としても、理解できるエピソードが多いです。2007年の出版なので、既に無いお店も多いのですが、それを言ったら去年の本に掲載されているお店だって無くなってる可能性はあるよねぇ。

 じぇんじぇんしらなかったですが、イラスト自体はよく見かけますよね。で、驚いたことに実家が同じ市でしたびっくり。私よりも5歳くらい年上なので、具体的にどうって言うことはないのですが、もしかしたら母親が知り合いだったりして(無いとは言えない)。

 なんだろなー、子育て本としての要素が強いので、ママさんにはお勧めです。

投稿者 ymkx : 2010年10月 1日 02:18 |

2010年9月 9日

再会 横関大

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 Fans:Fansで募集していた横関大著『再会』を献本いただいたので、書評を書いてみる。久々だな、書評って。

 横関大さんの『再会』は今年行われた第56回江戸川乱歩賞受賞作で、なんでも横関さんは8回目の応募にして受賞したとのこと。

挑戦8年、自然体で大願成就 第56回江戸川乱歩賞受賞 横関大さん [産経ニュース]
数多くの有名作家を輩出してきた江戸川乱歩賞(日本推理作家協会主催)は、セミプロ級の応募も多く、公募ミステリー賞の最高峰とも呼ばれている。第56回受賞者となった横関大(よこぜき・だい)さん(35)は、静岡県富士宮市職員。連続応募8回目に加え、最終選考にも過去3度残った乱歩賞の常連だ。8年越しの"大願成就"だが、「最終選考に鍛えていただいた」とあくまで控えめだった。

ぜんぜん知らなかったんですけど、江戸川乱歩賞って推理小説の新人作家に与えられる賞なんですね(嫁談)。あんま深く考えずに応募してみて、届いた本をぺらぺらとページをめくったら、、、もう、止まらなくなっちゃいました。

 ちなみに、この本を出版した講談社のサイトにはこのように掲載されています。

再会 横関大 講談社

第56回江戸川乱歩賞受賞作
全てはタイムカプセルにとじ込めた――はずだった。
誰がうそをついている? 幼なじみの4人が校庭に埋めた拳銃は、23年の時を経て再び放たれた。それぞれの想い出が重なるとき、時を越えたさらなる真実(なぞ)が目を覚ます――!

予選委員会から本選考会まで、常にトップを走り続けた驚愕の小説。選考委員、喝采
幾度も挑戦し、ここに大きな成果を得た受賞者に、心より拍手を送りたい――天童荒太氏
「乱歩賞の傾向と対策」のようなものから解放された――東野圭吾氏
話作りも丁寧で抜群の安定感――恩田陸氏
想像を絶するほどの苦心のあとが窺える――内田康夫氏

あと、特集ページなんてのもあった。

 っと、公開されている情報はこのくらいにして、感想でも書きますか。


 物語の舞台は横浜北部の街。小学校時代の幼なじみが20数年の時を経て、とある事件をきっかけに再会を果たす。その運命と偶然の出会いが織りなす、推理小説です。

 数ページ読んで思ったのですが、時間軸と場面展開が非常にユニーク。小説は読み進めるにつれて、物語の枠組みとプロットが見えてくるのですが、この小説はその流れが非常に丁寧に作られており、正直どこかで読み止めることが出来ないような創りになっています。あ、でも、推理小説なんだから、徐々に明らかになっていくってのは当然なのか。
 あと、1ページ目から最終ページまでの時間軸が、過去にさかのぼることはありますが、今起きている話しの流れでは2週間程度の話しだというのも、ポイントなのかもしれません。や、終盤にちょっと進むだけで、物語の中心は数日間の話しなんだよね。
 また、この話しの主要登場人物4人が自分と同じ35歳だったというのも、読み込んでしまった理由なのかな。そして、女性1人と男性3人という組み合わせの妙が光っていると思います。なにが、どう光っているのかは、是非とも手にとって読んで頂きたいと思います。

 正直、ちょっと偶然が重なりすぎなんじゃないかと思う展開だと思いましたが、それは偶然じゃなくて必然だということが終盤に向けてどんどん解き明かされます。
 そして、物語の最後、事実だけを考えると辛い結末のようにも思えますが、4人が再会したことによって新たに生まれた時の歩みが、明るいであろう将来展望につながります。そして、読み終わった後に読み始めた瞬間から物語全体に覆いかぶさっていた想いがすっきりする、ちょっと今までにない感覚を覚えました。

 私は、年に2回ほど、ハードカバーの小説を買います。選ぶジャンルはSFかファンタジーで、推理小説は大人になってからは初めてなのかも。『再会』はそんな、私でもとても満足できる作品でした。普段小説を読まない人にも、オススメしたい一冊です。

投稿者 ymkx : 2010年9月 9日 02:51 |

2009年3月12日

空に唄う

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 京都滞在期間中は毎日京都新聞を読んでいたんだけど、日曜日の書評欄に「空に唄う」が掲載されていた。白岩 玄と聴いてもピンと来なかったけど、デビュー作「野ブタ。をプロデュース」を書いた人と言えば分かるだろう。そう、自分自身その本もドラマも見てはいなかったけど、それがきっかけで興味を持った。新聞の書評欄は、その本のポテンシャルを十分すぎるほど表現してくれる。京都新聞に掲載されていて、実は京都出身の作家と言うこともあり、四条のジュンク堂で思わず手にした。


「私って、死んじゃったんですか?――新米の坊さん・海生の目の前に突然現れた、死んだはずの女子大生。誰にも見えない彼女と海生は同居することになるが!? 『野ブタ。をプロデュース』から4年! 待望の文藝賞受賞第一作。」

 内容設定からして、切ないファンタジー的な内容が連想される。しかし、本を読み進めていくに連れ、普通の、本当に普通の日常風景の中に現れた小さな非日常な話しだと気付く。設定的に、エンディングはイメージできるのだが、「日常風景」というキーワードがそのイメージを覆す。決して、感動的なエンディングがある訳じゃない。人が死に、そしてその後、残された人達がどのように日常を送っていくのか。大げさな表現やアクションなどが皆無なだけに、ある意味のリアリティを生じさせている。この本を読み終えた後、抱く想いは人それぞれだろう。しかし、多くの人が死生観について改めて考え直すような作品であることは間違いないだろう。

 あくまでファンタジー、でも、日常でそれを包み隠す。あまり読んだことのある系統の作品ではなく、正直、全く寝られなくなってしまった。ハードカバーの小説を読んだのはいつ以来ぶりか分からないが、こうやって自分を見つめ直すきっかけになったことは何事にも変えられない価値だったと言えるだろう。

投稿者 ymkx : 2009年3月12日 13:53 |

2008年6月 4日

怪物伝説 本田宗一郎としたたかな男たち

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 もう、この本に出会って何年経つだろうか。色々な人間に読ませ、そして自分自身も何度となく読み返している。この本から得たものは少なくなく、時に自分の生き方を肯定してくれる。

 この本はかつて本田技研工業が運営するテクニランドに入社、鈴鹿サーキットのディスプレイデザインに携わった著者 稲垣謙治が、当時のホンダというブランドに関わり経験した出来事を誰もが理解しやすいスタイルで記述した書籍である。

 この書籍で扱われている内容は、一般的に知られているホンダと本田宗一郎、そして一般的には知られていないホンダの陰の立役者である藤沢武夫や、著者の周りで光を放っていた多くの人々が見せたリアルな振る舞いだ。一般的な経営書や指南書では小難しく書かれる彼らの行動も、この書籍では端的にそして理解しやすい描かれ方をしているのが特徴だ。本田宗一郎を通してホンダという企業に興味を持っている人間は必読の書と言えるだろう。半分ほどは本当に下らないエピソードだ、しかし、その下らないエピソードに隠れている何かを見つけることが出来れば、この書籍を本当に活用できると言えるだろう。

投稿者 ymkx : 2008年6月 4日 00:34 |

2008年5月 5日

社長の教科書(うらぼん)

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 大して中身もチェックせずにタイトル買いしてしまったこともあり、タイトルと内容の差が激しくてびっくり。えっと、帯で「社長は今すぐ働くのをやめなさい! 成功法則なんか信じるな! 起業家必読」とか書かれているわけですが、この本を買っても何かアクションを起こそうと考えた社長さんは、さらに働く必要に駆られることでしょう。というのも、インターネットを活用して云々かんぬん的な本だからです。書いてあること自体はふつーの話しで間違っていないのですが、結局結論的にはプロを使ってインターネットを活用しないといけませんという展開です。

 まー、まともなプロを使うとそれなりにお金がかかるわけでして、この本を買ってインターネット関連をなんとかしなきゃと考える社長さんは、そのプロの優劣を判断することが困難で、結局はかなりの確率で外れ業者に当たって、痛い目に遭う可能性を孕んでいます。

 で、ホントにこの本に共感した社長さんなら、結局は著者に相談する展開になるのでしょうね。ちなみに、著者の実力は私ごときでは判断できません。最終章で取り上げられている自ら手がけた事例については1つも知りませんでした。

 というか、表2の同じ出版社から出されている本のタイトルをチェックしてたら買ってなかっただろうなぁ、、、。あと、「はじめに」の1ページ目からどうしても引っかかってしまう記述があって、また、『リスティングとは「メールアドレスを取る仕組み」という意味。』という一文がどうしても理解できません(リスティング by Tifana)。まー、対象読者は私なんかじゃ決してないから、どうでもいいですが。

投稿者 ymkx : 2008年5月 5日 23:51 |

2008年4月16日

そんなんじゃクチコミしないよ。

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 タイトルを一目見て、即買い。なんというか、クチコミマーケとかやってる人たちにとっては耳が痛い話題ばかり、クチコミ関連で宣伝を目論む担当者は必読の良書です。特に『「テレビCM崩壊」ってほんと』のくだりは自分も以前から感じていただけにとってもすっきりしました。あと、ペイパーポストって主流派は崩壊間近な気がするんですが(G先生のさじ加減次第)、ちゃんとした考え方を持った会社が生き残ってくれることを切に願いたくなりました。あ、昔のクライアントでペイパーポストであるキーワードに対してSEOしてたんだけど、今見たら結構表示順位が下がってた。なんか、対応が始まってるのかなぁG様。

 えーっと、ホントは色々感想を書きたいのですが、本全域に渡って参考になる話しばかりなので是非ともインターネットビジネスに絡む方は読んで頂きたい一冊です。

 ちなみに、著者の河野武さんは私と同じ大学で同学年、、、んー、大学時代は何やってた人なんだろ? と、思わず思うくらい興味深い方です。しかし、nifty→bk1→sixapartってすごい経歴だな、、、。ブログ(smashmedia)もかなりいけているのでRSSリーダに即答録しました。ああ、是非ともAMNの活動についてコメントしてもらいたい、、、。

投稿者 ymkx : 2008年4月16日 20:16 |

2008年1月28日

月20万円以下でできる! いい人が2倍集まる求人広告のワザ [書評]

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 久々に書評なんぞ。求人サイトを創る上でその手の本を何冊か読んでおります。すげー、キャッチーなタイトルにそそのかされて買ってみました。


 が、びみょー。一言で言うなら、タイトルに書かれている数字の根拠は何処にも示されていません。帯に書かれてる「リクルートさん、ごめんんさい。本当の話を教えちゃいます。」って、全然リクルートが困らないような内容ばかりです。いや、むしろこの本に書いてあるようなことができないからリクルートを使ってるんですもん。でもって、まー、基本的な話ばかりですよね。後ろの方にインターネット関連での求人の話がいくつか書かれていますが、それ全部やったらいくらかかるのさ? ってのが、本業でWebを作ってるオレの意見。結局、手間をかければいい広告ができて、求人の応募もがっつり増える、かもねー、的な~、、、ふーっ。ちなみに、某社の新卒サイトやらも手がけておりますので、システムにどのくらいお金がかかるとかも知ってますからね。

 というわけで、ひどい書きようですがはじめて求人広告というか採用に携わる中小企業の担当者には、さらりと読めて陥りやすい罠(というか手抜き)が書かれていていい感じであることも事実。私のように、「既存の求人広告市場をぶっ壊すぜ」みたいなことを言っている人間にとっては知っていることだらけでかつほとんど役に立たない内容でした。

投稿者 ymkx : 2008年1月28日 16:09 |

2008年1月12日

まどろみの海へ ~ある尊厳死の記録~ 堀江誠二

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 私はこの本を、本当に妙なきっかけで知った。たまたま、仕事の作業で書籍のことを知った(新○メルマガ原稿作成)。

 この本は、プロの構成作家である堀江誠二氏が末期癌を患い、その事実を知ってから自身の命を全うするまでの、貴重でかけがえのない事実と彼の考えていたことを記した書籍だ。この書籍を私が手にしたのは2006年11月。そう、自分にとって、自分が30歳代に入って最も重大な出来事を目の当たりにした直後だった。

 私は、そのとき魂が抜けてしまったような状況におかれていた。彼は、それほどの面識はなかったのだが、末期癌を患いながら、自らの経験を生かし、そして自らの命を引き延ばす。一見、不可能かと思われる行為を繰り広げる人間が、私が知る一人に加えて、もう一人いる事実に衝撃を隠すことはできなかったのだ。

 私が面と向かっていた人間は藤田憲一氏。そう、末期癌に冒されていたIT社長として、一時期メディアを賑わせていた人だ。でも、結局の所、2人とも癌に侵されそして亡くなってしまった、その癌という病気のために、、、。

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 私はこの2人のクリエイターからかけがえのないものを得ることができた。これまで、癌に冒された患者は如何に癌という障害に立ち向かうかが重要だった。しかしこの2人の選択は明らかに異なっていた。癌という未知の障害ですら、自らの好奇心と信念で自らの人生の素材にしてしまう。ある意味、これは衝撃的だったとも言えるなぁ。

 で、そんな堀江さんの本は読了した後も、幾度となく開いている。これだけ目を通していると、自分の脚色が付加されてくる、やーすごいものを残してくれましたこの人は。流石、超ベテラン構成作家。やっぱ、自分も何か残したいなぁ、、、。

投稿者 ymkx : 2008年1月12日 07:46 |

2007年8月23日

消えるサイト、生き残るサイト 「SEO11の戦術」で、絶対に生き残れ!

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 『消えるサイト、生き残るサイト 「SEO11の戦術」で、絶対に生き残れ! 』というタイトルがイケイケですが、出版元の関係で読まざるを得なかったとか(んなこたない)。著者の会社のサイトを見ると、「Amazon総合1位」だそうです。あ、「だった」そうです。

 SEOがらみの書籍は数多ありますが、いわゆる初期のSEOバブル期みたいな「とにかくSEO、何でもSEO」っていう感じではなく、きっちり地道に、またSEOの手法次第では怖いこと盛りだくさんですよー、ということをきっちりと語っている書籍だと思います。具体的な手法にはそれほど突っ込んでいませんが、Webサイトでものを売っていたりリスト作りなんかを行っている会社で自社でWebサイトをメンテナンスしてる会社の担当者の方は、最低限知っておくべき知識が詰め込まれています。

 とは言っても、やはりSEOを素人がやるのは困難ですよ。結局の所、専門業者に依頼をすることが手っ取り早いのですが、選択してはいけない業者に関する情報が掲載されているのもポイントです。あと、かなり好感を持てたのはSEOに踊らされず、ユーザにとって有用なサイトを作るということが基本としていることですね。

 というわけで、SEOで頭を抱えてる担当者様にはお勧めの一冊です。あまり頭を抱えてない方とか、プロフェッショナルな方にはそこまでオススメはしませんが。

 どうでもいい話ですが、ちょっと書籍のタイトルと編集は考えた方がいいんじゃないかなぁ。タイトルは良いとしても、なんか読み進んでいってもキーワードみたいなのばっかでとっちらかっている印象があります。これは著者の問題じゃないでしょうけどね。

 SEOになってしまうので、著者のブログとか会社にはリンク貼らな~い(嫌らしい奴だ)。

投稿者 ymkx : 2007年8月23日 17:55 |